中の人など居らん!

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花まんま
花まんま
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朱川 湊人
文藝春秋 (2005/04/23)
売り上げランキング: 646
おすすめ度の平均: 4.42
4 子供の感性
5 透明で懐かしく、悲しく優しい。
3 不思議・・・そして胸を打つ


全六編からなる短編集。
六篇どれも繊細かつ洗練された統一の空気を感じさせてくれる本。

 この本のノスタルジックな空気を感じきれない世代の自分が悔しくてならなかった。作者は私の姉のちょっと上の年齢であることから、この本を姉に是非薦めてみたい。
 きっと、子供の頃(本の舞台は大阪ではあるが)東京の下町に生まれた姉には、忘れてしまったアノ日の匂いを同世代読者と同じ匂いを共有することができると思う。

 ノスタルジックな雰囲気が感じられなかったわけではない。なにか、この本を読んでいると「ホっ」っとするというか、暖かい優しい守られているかんじがした。
 それは、私が作者年代とはズレているものの、物語中に出てくる当時の子供達の流行やそういったおもちゃ、本、映画、これらを大事にしたい子供心の巧みな描写によるものだけであろうか?
 どの作品にも必ず出てくる、こじんまりした家庭と兄弟に、自分の家庭を重ねることができたからであろうか?

 私には兄弟がいる姉兄私の3人。姉から兄まで6つ年齢差があり兄から私まで2つ差がある。姉から見れば私は8つもしたの妹となる。
 現在、この姉家族と同居な私であるが、実は最近これもそろそろいけないよねと思うことがしばしばあったりする。私がここにいる理由が、仕事の関係であることもあるが、肉親の思いとしての理由が大きい。子供のころ少々体が弱かったこともあって、結局ひとりぐらしをすることもなく現在に至っているところで、周りに誰か家族のいない家に住んだことがないのだから、いい加減大人になっても親が心配するのは無理もないことなのだろう。

 8つ上の姉、これはもはや姉妹という関係ではなく、母とか保護者の域にいる人であり、要するに小さい頃から私は母親二人体制で過保護に育ってきた。
 食卓に座れば、普通お手伝いといって子供のやる仕事であろう茶碗運びや、学校から帰ってきてからの米とぎなども全て整って上げ膳据え膳であったのだ。お風呂もずっと姉と入っていた、というか一緒に入って世話してもらっていた。母は大助かりの出来のよい長女に大満足であったことは、言うまでもない。

 アメリカのホームドラマや映画が大好きな母と、それを一緒に鑑賞しながら読み聞かせとされた姉は、その凝り性をも受け継いだらしい。今で言うところの「おたく」というやつである。
 ドラマもかなり楽しんでいたようだが、もはやなんでもありなのか?というところのサンダーバードや超人ハルクといったところまで夢中だったらしい。
 大好きな趣味のことを話すのは誰もが楽しいことである。
 母にとっては姉がまさに話し相手であり、オタクな仲間であった。

 私が言葉を理解する頃、姉は小学校の高学年であった。
 そんな母の影響で当時のアイドルに目もくれず、彼女がおもしろがったものが特殊撮影の映画や洋楽だったそうだ。
 小学校高学年でこの話題の持ち主は結構限られてくる、すると表ではアイドルの名前が出ると適当にきゃーと言ってみたりするらしいのだか、かえってストレスがたまるらしく学校から帰ってきた姉は、兄や私にそれらの話をしながら資料や画像を見せてくれた。
 学校から帰ってきて、ちいさい兄弟の面倒を良く見る姉、親にはそう映っていたらしいが、それは、洗脳の儀式であったと私は思う。(笑)

 「花まんま」を読みながら私はその頃を思い出していた。
 そして、物語のどれにも出てくる妹や弟の気分にひたっていた。その下の兄弟といわれる存在は、あくまでか弱く守るべきものであることを上の子供の兄や姉がどうやって守るかが、重要なポイントとして作品中にちりばめられている。

 これだ
 私はこのあたりに暖かい安心感や守られている気分を味わっていたのだ。
 花まんまの作者の出そうとした空気の匂いは、私の場合姉によって伝えられ、それは確実に同じ匂いとして私に感じさせてくれた。

 涙がでてくるほどの優しさに触れられることの出来る作品。

誕生日おめでとう私・・・
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コメント
この記事へのコメント
鉄人ママ様
いらっしゃいませ。
書評などを書いていると途中で恥ずかしくなってきて
つい、茶化してしまうのが癖です。
鉄人ママさんのところに書いた東京都杉並区にそういった地域があるというのは
学生時代に学校が杉並にあったのですがお茶のお菓子を買いにいく係りをしていたとき
よく迷っていたのです。
緑の多いおおきなお屋敷、コノ待ちは多分ただのお金持ちというよりも、文化的レベルの高い方が多く住んでいらっしゃるのだろうというかんじです。
ある日道に迷っていると、立派な庭に大きな木がたくさんある場所なので見通しが大変悪いはずなのですが、その角を曲がったとたん一瞬にして司会が開けたのです。
何故視界が開けたか
そこには多分6畳一間に水道がついていて、もしかしたらトイレ炊事場は共同かも?という1戸立ての言い方悪いですがほったて小屋の集落があったからです。
そのちょっと向こうにはなぜか不似合いな金色のタマネギのような王宮のような屋根を持つ、宗教団体のおおきな建物がどか~んとありました。
私は、話にはきいたことはありましたが、こういった地区をみるのは初めてで、たしかにそういった風景はそこここいnあるのかもしれませんが、特別な空気を感じることで、異世界にきた気分になったことを思い出します。
人は色々で色々なものを背負っています。
捨てられるものもあったり、一生それ自体を人目にさらしながら生きていかなければならないこともあるでしょう。
それらは、自分自身で選択したものではないし、選択できるものでもないです。
人はそれぞれそういったどうしようもないことを持っているのだと思いました。
ならばそれにかかわって苦しんだりするよりも、次々に自分で選べる道を作って、どんどん選んで失敗したら自分の責任にしたほうがいいと、私は考えています。
またきてください^-^
2005/10/23(日) 23:15 | URL | moco #-[ 編集]

花まんま」私も昨日記事にしました。トラバさせていただきます。「花まんま」の舞台になる町の町名がわかります。
(想像だけど、多分あってると思います。)あと朱川さんのサイン見れます。よろしくお願いします。
2005/10/18(火) 12:08 | URL | 鉄人ママ #-[ 編集]
らくるさん
やっぱりそうだったかw
なんかねらくるさんに逢うとほーっとするんだ
2005/09/13(火) 23:12 | URL | moco #-[ 編集]
Σ(゚д゚;) ヌオォ!? 長女体質。そ・そうかも?!
我が家の夫婦は長女の私と、弟の夫君ペアなの。
口やかましく面倒を見てしまうのは、このせいだったのかな?(゚ペ)?
2005/09/13(火) 16:48 | URL | らくる #-[ 編集]
ラクルさん
長女体質というか、下に兄弟がある友人などを見ていて思うこと。
気がつくと私の面倒見てるw
学生のころからそうだったような気もします。
私がボーっとしてるのは、
それでも世の中進んでいたし、時間も進んでいた
そして何より次の段取りのあるところまでが進んでいる
親だけじゃない周りの私への教育の結果かと
人のせいにしてみましたwwwww
2005/09/12(月) 18:27 | URL | moco #-[ 編集]
長女の私。弟は年子なので、同じ年と言ってもいいかな。
小さい頃は喧嘩が絶えなかったし、大きくなると、どう見ても兄と妹。
お互いに家庭をもってからは、会う機会もめっきり減ってしまいました。
mocoさんのお姉さんの話を読んだら、うらやましくなりました。

2005/09/12(月) 14:31 | URL | らくる #-[ 編集]
Mさんありがとう。
同じ空気っていうことは、どれを呼んでも同じ物語なのでしょう?
と、そんな質問をいただいたことがあります。
よ~~~く考えてみると、花まんまはそうなのかもしれません。
でも、そこが不思議なのです
内容ほぼ同じ、感じる空気もほぼ同じなのに
どれもが新鮮に読めるのです。
これはtyっといい本に出会っちゃったかなって
ヌヤヌヤしてます(なんか違う)
2005/09/11(日) 17:29 | URL | moco #-[ 編集]
誕生日おめでとう!
毎回詳しく感想が書かれてて関心する。
8つも兄弟と離れてると同じ力量の相手として喧嘩できない
一抹の寂しさがあるかなと思ったり。
1人暮らしは最初は大変だけど新しい発見もあって、何より完全に自由
なのがいいな。元々自分が家族にこだわりが無いせいかもしれないけどね(´ー`)
2005/09/10(土) 21:35 | URL | M #-[ 編集]
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今日は写真付です。理由は最後。
2005/10/18(火) 12:08:25 | 鉄人ママの社長ブログ
今回は本のネタですよ。「花まんま」という短編小説です。 この作品を含む短編集は、第133回直木賞を受賞したそうです。 つまり、今期の直木賞ですね。 と言っても、小説を読む習慣のない人にとっては、 それがどうしたのって感じでしょうか。 僕も実は知人に勧められたの
2005/09/10(土) 03:54:02 | ワイワイ倶楽部
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